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舞台はタイ北部チェンマイ。ゲストハウスの小さなプールの周りに集う5人の6日間のできごとを、淡い情動とともに描く素敵な映画が完成! その作品「プール」で、メインキャストに抜擢された伽奈ちゃんに、今月はコンタクト。不思議な雰囲気をまとう彼女に、映画初出演の感想や共演者の方たちとのエピソード、はたまた大好きな野球の話まで、心ゆくまで語ってもらいました!
TV Taro:何でも、「プール」のプロデューサーの方が伽奈さんのブログの面白さに興味を持たれたことがきっかけで、今回の映画初出演につながったそうで……? 伽奈:はい、どうもそうみたいなんです。書くなら真面目に書かないと、と思って。ついつい長くなりがちなんですけれど。まさかこのような機会をいただけることになるとは思ってもいなかったので、驚きましたね。と同時に、一生懸命に書いた文章を通じて私自身のことを気に入ってくださったと思うと、すごくうれしかったです。 TV Taro:初めての映画出演に加えて、小林聡美さん、加瀬亮さん、もたいまさこさんといった顔ぶれに囲まれるという状況に、さぞ緊張したのではないですか? 伽奈:それはもう、本当に! ベテランの方々の中に私なんかがいていいのかな、という気持ちが最初はありましたね。でも、実際にお会いしたら、みなさん本当にいい方々だったんです。なので、みなさんと共演することができてよかったと、初日からずっと感じていました。今ももちろん、その思いは変わらないですね。 TV Taro:小林さんともたいさんは長いお付き合いですし、お2人と加瀬さんは映画「めがね」(’07)でご一緒してますものね。そういう、あらかじめできあがっている輪の中に後から入っていくという状況的には、伽奈さんが演じられた、さよと似たところがあったのかなあ、と。 伽奈:そうですね、自分と重なるところはありましたね。でも、たとえば雑談をしていて私にわからない話題になったときは、すごく噛み砕いて事細かにお話してくださったんです。和を重んじると言いますか、私が早くとけ込めるようにみなさんが気を配ってくださるのを感じるたびに、うれしさと感激をおぼえていました。 TV Taro:いい話だなあ……。ところで、お芝居をするということに興味はお持ちだったんですか? 伽奈:う~ん……私は話をするのも上手ではないですし、あがり性なので、興味というよりも、芝居ができるかどうかという不安の方が大きかったですね。本当に自分でいいのかなって気持ちが強かったです。 TV Taro:あ、そうだったんですね。あの、本編の2日目の朝でしたかね……プールサイドを何気なく歩いてフレームインしてくる場面がありますけど、あの自然な感じはすごくよかったと思いました。 伽奈:本当ですか。ありがとうございます。では、あらためて観てみます。やっぱり、そういうことって自分で気付くのではなくて、ご覧になった方から言われて「へ~」と思うことが多いですね。 TV Taro:なかなか客観視するのは難しいと、役者さんたちはおっしゃいますからね。では、大森美香監督の演出はどんな感じだったんですか? 伽奈:それほど細かな指示はありませんでした。シーンごとの気持ちのつながりについては細やかに説明してくださったんですが、演技に関しての指示というのはほとんどなかったと記憶しています。なるべくつくらないで、自然なままでカメラの前に立ってほしいといったお話を、(ロケ地・タイの)チェンマイに行く前からお聞かせいただいていたので、少しだけ気分は軽くなっていました。 TV Taro:以前、大森監督が脚本を手がけたドラマ「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」(日本テレビ系)では、生徒役の1人ひとりに性格やバックグラウンドを細かく設定して、それを演じる子たちにしっかり伝えたそうなんです。今回の「プール」で、さよを演じるにあたって、そういった説明はありました? 伽奈:はい、バックグラウンドに関してはすごく詳しく説明していただきました。でも、それをセリフで説明するのではなく、言葉じゃないところで伝えたいということをプロデューサーさんから聞かされていたので、さよの置かれている状況や気持ちを自分のものにして、表情や動きで表現していくというお芝居をすることが多かったんですね。
TV Taro:そういうたたずまいで見せていくお芝居の方が、セリフで説明するよりも難しい気がしますが……? 伽奈:はい、難しかったです。言葉に出すことなく感情を表現することが一番大変なんだなと、今回の撮影では実感しました。 TV Taro:モデルのお仕事でスチール撮影には慣れていらっしゃるでしょうけど、やはりムービーでの演技は別物でしたか? 伽奈:はい。モデルのお仕事の時は心が自分のままですけど、映画でお芝居をするときは自分の気持ちではないところで動くことになるので、まったく異なるものだと感じました。 TV Taro:その、自分ではない誰かになることの醍醐味というか面白さを、どういうところに感じましたか? 伽奈:小林さんたちとのお芝居で、小林さんは京子さん、加瀬さんは市尾さん、もたいさんは菊子さんとそれぞれ役になっている中に入っていくと、私自身も自然とさよになっていく感じがしたんです。その瞬間に「ああ、そういうことなんだ」って。何となくわかった気になっているだけなのかもしれませんけど、少なくとも私が楽しさをおぼえた瞬間はそこでした。 TV Taro:ふむふむ……。では、役を離れている時の共演者のみなさんは、どのような感じでした? 伽奈:小林さんはどんな時も温度がずっと同じという感じの方で、一緒にいさせていただくと安心するんです。車で移動する時も食事の時も、出番待ちのお部屋でもご一緒させていただきました。加瀬さんは次に撮るシーンのことをずっと考えてらして、本当にお芝居がお好きなんだなあって。かと思うと、「チェンマイの○○で買い物したけど、あそこの店よかったですよ」なんて何気ない話題がフッと出てきたり。芝居の鬼になっている時とそのギャップが面白かったです(笑)。もたいさんは、きっとこちらの考えていることはすべてお見通しなんだろうなあ、と思わせる不思議な魅力をお持ちの方。きっと、どんな人であっても、もたいさんのペースに合わせられてしまいそうな……すごい人だと感じました。 TV Taro:なるほど~。その小林さんとのシーンで映画の見せ場でもある「鍋のシーン」は、伽奈さん的にも気合いが入ったのではないですか? 伽奈:そうですね。タイに行く前から「鍋のシーン」がすごくこの映画にとって重要なものになるというのは聞かされていたので、そこで感情の変化をつけるという楽しみは自分なりにもありました。お芝居そのものはスムーズにいったんですけど、外で撮影しているもので、大きなハエがやたら飛んでくるんですね(笑)。 TV Taro:そうそう、飛んでいたし、食べ物にも止まってましたね!(笑) 伽奈:あと、近くの犬が吠えたりして、多少時間はかかったんですけど、無事に撮り終えることができました。カット割りもほとんどなくて、長いシーンだったのでさすがに緊張していたんです。さよの心情を自分の中に取り込んだ上で、ちゃんと表現できるのかも心配でしたし。なので、OKをいただいた時はホッとしました。そうやって気持ちがほどけるところは、さよが自分の気持ちを告白して胸のつかえがとれるのと、何となく共通するところがある感じがしました。
TV Taro:あのシーンは物語上も大切ですからね。で、今、食べ物の話が出ましたけど、劇中に登場するタイ料理の数々、実に美味しそうなんですよねえ! 伽奈:チェンマイで食べた料理は、ほとんどが美味しかったです。タイ料理のお店も屋台も安くて美味しくて、体にもいい感じがして、毎日うれしさを感じていました。物価がとにかく安いので、ついついいろいろと買いすぎてしまったりもしましたね。 TV Taro:しかも、タイでは値切るのが当たり前なんですよね。ただでさえ安いのに(笑)。 伽奈:そうなんですよ。不思議と、だんだん値切らないと損している気分になってくるんです。冷静に考えると、値切らなくてもものすご~く安いんですけどね(笑)。 TV Taro:ちなみにタイは今回が初めて……? 伽奈:はい。 TV Taro:古い話で恐縮なんですけど、10数年前に「タイは若いうちに行け」っていうCMのコピーがありまして。どうでした、若いうちにタイに行ってみて、どう感じました?(笑) 伽奈:本当に若いうちに行ってすごくよかったです。今回はチェンマイだけでしたけど、人がすごくやさしかったですし、またいつか行きたいですね。若い時の感覚で街の空気や風を感じて、また年齢を重ねてから行くと違ったふうに感じられるかもしれないな、と思ったりもしました。そうか、若いうちに行くものなんですね、タイは……(笑)。 TV Taro:いや、たとえばの話ですので(笑)。さて、では少し伽奈さんご自身のことをお聞かせください。ブログでも話題の中心ですが、福井出身でありつつも、広島カープの大ファンなんですよね。やはり、幼なじみの天谷宗一郎選手が在籍していることが直接のきっかけなんですか? 伽奈:はい、きっかけは天谷くんですね。彼が一軍に上がった何年か前の4月に、試合観戦に行ったんですね。その時は内野席で観ていたんですけど、外野席で応援している人たちがすごく楽しそうで、「あそこで一緒に応援したい!」って思いが募ってしまったんですね。その日、カープは残念ながら負けてしまったんですけど、プロ野球の生観戦の魅力にはどっぷりハマっていたという……。それから間もなく、天谷くんは故障でシーズン中は出場できなかったんですけど、代わりに私ができるかぎり球場へ足を運んでおきました(笑)。
TV Taro:元々、野球そのものが好きだったんですか? 伽奈:家族みんな好きで、兄も少年野球のチームに入っていたので、応援に行くうちにルールも自然と覚えて。でも、こんなに一つのチームに入れ込むことは今までなかったので、カープとともに歩む日々は本当に楽しいです。 TV Taro:広島市民球場での最後の試合にも行かれているんですよね? 伽奈:そうなんです。もしお休みをいただけたら行こうと思っていて、3日前ぐらいに広島行きを決めて。知り合いの人がチケットを取っていてくださっていて、大切にすべきは人間関係だなあって、実感しました(笑)。最後のゲームも勝利でしめて、何て言うか……すごく素敵で泣ける日でしたね。 TV Taro:(笑)。もう伽奈さん、外野席ではちょっとした“カオ”なんじゃないですか? 伽奈:いえ、そんなことはないんですけど、球場で知り合った人たちからは、すごくよくしていただいてます。自分の好きな野球チームを応援して、勝ったときに得る喜びを知ることができて、人生がすごく豊かになった気がしていますね。 TV Taro:あとはカープが優勝争いをすれば、といったところでしょうか。ちなみに、野球以外では今どんなことに興味がありますか? 伽奈:やはり洋服が好きなので、お気に入りの洋服を探して歩いたりしていますね。あとは、本を読むのが好きなので、本屋さんに行くことが多いです。最近はお料理もしますし……あと、水族館に行くのも好きです。魚たちはこの水槽で幸せだろうかって確かめに行くような気持ちで見に行っているんですけど……。 TV Taro:え、見て魚たちの気持ちがわかるんですか!? 伽奈:何となく、ですけど。悲しそうに泳いでいたり、幸せそうに泳いでいたりするのが、感覚的にわかる気がしているんです。「ここの水槽はきれいだけど、ちょっと狭いから、ちゃんと幸せを感じることができているかな」なんて思いながら、泳ぐ魚たちを見ているんです。 TV Taro:そうなんですね……では、水槽から話を「プール」につなげて、最後に映画のPRをお願いします! 伽奈:チェンマイという、とても気持ちのいい街で撮影をさせていただいたのですが、撮影現場となったおうちや、外にあるリビング、そこに咲く花、鳥やカエル、虫の鳴き声……すべてが心地よく感じられたんですね。それと音楽にすごく感動して……。 TV Taro:そう、音楽の使われ方が絶妙なんですよね! 伽奈:すごく涙が出そうになるんですね。そんな、心地いい中で過ごさせてもらった空気感を、映像を通じて感じていただけたらうれしいです。 TV Taro:ですね。残暑に疲れた体と心を癒してほしい、と。 伽奈:はい。チェンマイは暑かったんですけど、風通しがいいので、涼しいところは本当に涼しくて。そこもすごく不思議でしたね。東京とは全然違う時間と空気が流れていました。その感じが伝わればいいんですけど……いえ、きっと「プール」からはそれが伝わると、私は信じます。 一見クールな印象も、懸命に言葉を選んで話す仕草に実直な人柄が見え隠れ。目の前にあることに全力で取り組むその姿勢が芝居でも実を結び、今回の「プール」でのそこはかとない存在感につながっているのだと感じた。かと思うと、愛する広島カープの話では無邪気な表情をのぞかせる。やはり一言では語り尽くせない不思議な魅力が、この人には備わっている。新たなミューズ誕生の予感──伽奈の登場に、そんな期待を抱かずにはいられない。
取材・文/平田真人 撮影/為広麻里 スタイリング/髙山エリ ヘア&メイク/草場妙子
![]() 伽奈(kana) 6月5日福井県生まれ。'05年モデルデビュー。「花椿」、「SPUR」、「GINZA」、「anan」ほか、数々の女性誌・ファッション誌で活躍するほか、「ウォータリングキスミント」(江崎グリコ)などのCMに出演。本作で映画デビューを飾る。
[ プール ] ■9/12(土)シネスイッチ銀座ほかにて全国ロードショー娘のさよを日本に残し、チェンマイ郊外にあるゲストハウスで働く京子(小林聡美)。4年ぶりに会う母を訪ねたさよは、母の仕事を手伝う市尾(加瀬亮)やタイ人の子供と楽しそうに暮らす母が理解できず…。 【Official HP】 http://pool-movie.com/ |
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