シャーロック・ホームズ

STAFF/CAST
監督/ガイ・リッチー 出演/ロバート・ダウニーJr. ジュード・ロウ レイチェル・マクアダムス マーク・ストロング 配給/ワーナー
STORY
 19世紀末。ロンドンで、若い女性が次々と不気味な儀式を思わせる手口で殺される連続殺人事件が発生。ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)も捜査に手こずる中、名探偵シャーロック・ホームズがこの難事件解決に立ち上がる。持ち前の超人的な観察力や記憶力、推理力でたちまち犯人の居所を突き止め、邪悪な黒魔術を操る犯人・ブラックウッド卿を捕らえるが…。
■2010年3月12日(金)より全国ロードショー

 名探偵ホームズがいかに難事件を解決するかという、謎解きや推理を期待すると、大きく裏切られる。知的好奇心が刺激される探偵ものというより、完全に“アクション映画”! それは少々残念だが、見るべきはキャストの魅力に尽きる。復活めざましく中年になって益々色香が増すダウニーJr.と、どんなスキャンダルがあろうと髪が間引かれようとスクリーンでは溜息がでるほど美しいロウが、ホームズ&ワトソンのこれまでのイメージとは異なる見目麗しき姿、これまでとは違う関係性(ワトソンが世話女房的に強い!)で、黒魔術が絡んだ陰謀を暴き、阻止する。文字通り肉体を駆使して。そして時折、「お前の面倒を見るのは、もう真っ平ご免だ」「こっちこそ願い下げだ!」と痴話喧嘩を繰り返す。ほのかにBL萌えさせてくれる究極の“相棒物語”として堪能しよう。監督はガイ・リッチー。ロンドンのムサい不良中年臭という個性を払拭し、普通の大作に仕上げる職人に徹した。そこもまた微妙に残念!(折田千鶴子)


時をかける少女

STAFF/CAST
監督/谷口正晃 出演/仲里依紗 中尾明慶 安田成美 勝村政信 石丸幹二 青木崇高 石橋杏奈 千代将太 柄本時生 配給/スタイルジャム
STORY
 母・芳山和子が薬学者として勤める大学に合格し、あとは卒業を待つだけの高校3年生、あかり。ある日、和子が交通事故に遭い、昏睡状態に陥ってしまう。一時的に意識を取り戻した和子は“過去に戻って深町一夫に会わなくては…”と必死に訴え、再び昏睡に。あかりは母の願いを叶えるため、彼女が開発した薬を使って1972年4月にタイム・リープすることを決意するが…。
■2010年3月13日(土)より全国ロードショー

 筒井康隆の原作や、その後の大林宣彦監督の映画化作品のストーリーから38年後という設定の本作。大胆な飛躍なのに、オリジナルのスピリットが失われなかったことに感動した! 「あなた私の元から?」と、いきなり大林版の主題歌が流れた瞬間、過去作品とのリンクを感じさせるが、母親になった若山和子を原田知世に演じさせるような“あざとさ”は回避され、節度をわきまえたオマージュが観ていて心地よい。時空を超えた、本来は会うはずのなかった人との恋や友情。多くの映画で描かれたこのテーマを、改めて新鮮に感じさせるのは、主演2人のおかげかも。同世代の女優のなかで、演技力&チャレンジ精神、ともに頭ひとつ抜けた仲里依紗が、今回も、ヒロインの溢れ出る感情を共感たっぷりに熱演。さらに感心したのは、トリップ先の70年代で中尾明慶がみせる、当時の青年そのものの“たたずまい”だ。2人の演技に引き込まれ、もう二度と会うことのない運命の切なさに、胸をかきむしられた。(斉藤博昭)


ハート・ロッカー

STAFF/CAST
監督/キャスリン・ビグロー 出演/ジェレミー・レナー アンソニー・マッキー ブライアン・ジェラティ 配給/ブロードメディア・スタジオ
STORY
 2004年夏、イラク・バグダッド郊外。米陸軍ブラボー中隊の爆発物処理班で殉職者が出たため、ジェームズ二等軍曹を新リーダーとして迎え入れる。サンボーン軍曹らを補佐役とした爆弾処理チームは、任務明けまで常に死 と背中合わせの38日間を共にする。だが、任務が開始されると、ジェームズは作業順序や指示を無視、自ら爆弾に近づき淡々と解除作業を完遂し…。
■2010年3月6日(土)より全国ロードショー

 「アバター」と並ぶ第82回アカデミー賞最多ノミネートもうなずける、近年、屈指の戦争映画。アメリカ兵にとっては誰が敵かも分からないイラク・バクダッドで、爆弾処理を任務とする兵士たちに焦点を当てている。じりじりするような緊迫感で映像を貫きながら、生命を賭けた極限状態でしか生きている実感を得られなくなった兵士の姿を浮き彫りにしていく。死と隣り合わせの戦場では安易なヒューマニズムの入り込む余地はなく、兵士はひたすら与えられた任務をこなすのみ。キャスリン・ビグローは、とことんクールにそうしたイラク戦争の実態を紡ぎだす。ハードボイルドなその語り口、圧倒的なリアリティにぐいぐいと惹きこまれ、ラストの趣向に衝撃を受ける。まさしくビグローにとってベストの作品といいたくなる。ガイ・ピアースやレイフ・ファインズといった名のある俳優たちが死に行く存在として登場するのも、過酷な戦場を浮き彫りにする“狙い”だろう。主演のジェレミー・レナーの存在感が心に残る。(東林保好)


ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ

STAFF/CAST
監督/松山博昭 出演/戸田恵梨香 松田翔太 田辺誠一 鈴木浩介 荒川良々 永山絢斗 鈴木一真 吉瀬美智子 渡辺いっけい 配給/東宝
STORY
 秋山の助けを借りて、「ライアーゲーム」決勝戦まで進んだ直。優勝賞金50億円をかけて精鋭11名によって争われる決勝戦は、“人を信じる心”がテーマの“エデンの園ゲーム”だった。直はプレイヤー同士の結束を訴えるが、ファイナリストの中には最強の刺客“プレイヤーX”が潜んでおり、百戦錬磨のプレイヤーたちが直の訴えに素直に従うわけもなく…。
■2010年3月6日(土)より全国ロードショー

 '07年にドラマ化されるや人気を呼んだ「ライアーゲーム」。ゴールデン枠での「シーズン2」を経て、映画で完結となる。ファイナルステージのゲームの内容は、人を信じる心がテーマとなる“エデンの園ゲーム”。人を騙して這い上がってきたプレイヤーたちが、お互いを信じて、本当の意味で勝つことができるのか? さらにゲーム中盤に最強の裏切り者が登場するなど、スリルの連続でスピーディに突き進む。人気キャストたちの好演も見どころのひとつ。戸田恵梨香はとことんバカ正直なヒロイン、神崎直を可憐に演じ、ドSの天才詐欺師、秋山を楽しげに演じる松田翔太のハマりっぷりもパワーアップ。シーズン1からの人気キャラ、福永も登場し、「ナオちゃんてやっぱバカあ?」的なおなじみの台詞、ハイテンションで笑わせる。彼らのキャラクター性を含めて、映画でもトリッキーな世界観の「ライアーゲーム」らしさはもちろん健在だ。人気シリーズの最後を飾る作品としては文句なしの映画化だ。(杉嶋未来)


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