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悪人
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STAFF/CAST
監督/李相日 出演/妻夫木聡 深津絵里 岡田将生 満島ひかり 塩見三省 池内万作 光石研 余貴美子 樹木希林 柄本明 配給/東宝
STORY
長崎の漁村で、祖父母に育てられた青年、清水祐一。現在は、土木作業員として働き、孤独な日々を送っていた。ある日、出会い系サイトで知り合った福岡の保険外交員・石橋佳乃を殺害してしまった祐一。だが、捜査線上に浮上してきたのは福岡の裕福な大学生・増尾圭吾だった。苦悩と恐怖を押し隠し、いつも通りの生活を送る祐一のもとに、一通のメールが届く。
■2010年9月11日(土)より全国ロードショー
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「もっと早く会っていたら、幸せになれたのに…」。逃避行で育まれるこの想いが観る者の胸をかきむしるのは、主演2人の熱演によるところが大きい。狂気と孤独、哀しみのすべてを瞳にたたえた妻夫木聡はもちろん、制御できない感情をラブシーンに託す深津絵里に圧倒される。後半は髪の汚れ具合もリアルで、女優の本気度が感じられた。事件の容疑者となった祐一による最後の決断は、映画版でカットされた原作のエピソードを知っていれば、さらにその複雑な真意をくみとれると思うが、このあたり、原作者が脚本に加わったことでの“見過ごし点”になった気がする。しかし、これは些細な欠点。作品全体が発散する強烈な切迫感と痛みは、原作者が脚色したからこそ生まれたのだろう。タイトルの「悪人」とは誰なのか。観終わって考えることに、もはや意味はない。「その人の幸せを思うだけで自分もうれしくなる。そんな大切な人はいるか?」という、より感動的なテーマが深い余韻となり、いつまでも胸の奥に沈殿した。(斉藤博昭)
(C)2010「悪人」製作委員会
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BECK
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STAFF/CAST
監督/堤幸彦 出演/水嶋ヒロ 佐藤健 桐谷健太 忽那汐里 中村蒼 向井理 水上剣星 古川雄大 桜田通 竹中直人 松下由樹 配給/松竹
STORY
平凡な高校生コユキの前に、音楽には妥協を許さないニューヨーク帰りの天才ギタリスト、南竜介が現われる。彼の飼い犬“BECK”を助けたことが縁で知り合い、古いギターを譲り受けたコユキは音楽にのめり込んでいく。そんな中、新バンドのメンバー探しをしていた竜介は、ボーカルの千葉とベースの平をスカウト、飼い犬にちなんで命名したバンド“BECK”を結成する。
■2010年9月4日(土)より全国ロードショー
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バンドを題材にしたコミックを映像化する際、もっとも難儀するのは作品の肝要(キモ)となる音楽をどう具現化するか、だろう。そう考えると脚色やキャスティングよりも重要なファクターだが、さすがは自らもギター少年だった堤幸彦監督である。原作のハロルド作石氏が二次元上で重厚に描いてみせたアンサンブルを、聴く者の魂を震わせるブ厚いバンドサウンドへと昇華してみせた。また「20世紀少年」シリーズ('08~'09)同様、原作キャラの忠実なビジュアル化は本作でも健在。方向性を誤ればコスプレ大会になる危険性をはらむ手法も、バンド(=BECK)にまつわる人間模様をしっかりと描き込むことで、王道の青春ストーリーに仕立てている。異論もあるかと思うが、平凡な高校生がギターを手にすることで自分の世界を広げていくという共通項から、新世紀版「青春デンデケデケデケ」('92)と捉えると興味深いかも。それはともかく、終盤のライブシーンは圧巻。ぜひとも劇場の大音量で体感してほしい。(平田真人)
(C)2010『BECK』製作委員会 (C)ハロルド作石/講談社
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オカンの嫁入り
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STAFF/CAST
監督/呉美保 出演/宮崎あおい 大竹しのぶ 桐谷健太 絵沢萠子 國村隼 林泰文 斎藤洋介 春やすこ たくませいこ 配給/角川映画
STORY
父の顔を知らずに生まれた月子は、母の陽子と2人で支え合って生きてきた。酔っぱらって若い金髪の男・研二を連れて帰宅した陽子は、翌朝、月子に“この人と結婚します”と言い放つ。あまりの唐突な母の行動に月子の不満は爆発、勢い余って家を飛び出してしまう。家族同然の付き合いをしている大家のサクや陽子の上司・村上は、月子をなだめようとするが…。
■2010年9月4日(土)より全国ロードショー
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脚本も兼ねていた前作「酒井家のしあわせ」でもそうであったように、監督・呉美保の、家族の在り方を見つめる眼差しはとても温かく、そして優しい。ときに最も面倒くさくてややこしくて、近いからこそ許せなかったり意地を張ったり。でもやっぱり最も大切で愛おしい――そんな家族像を本作でも感じさせてくれる。一見、ハチャメチャに見える母親に隠された秘密が明かされるとき、当たり前だと思いがちな日常がずっと続くわけではないのだと悟らされるのだけど、何気ない日々の描写が彼女は実にうまいので、余計、胸に響く。ご近所とのお付き合い。思ったことを素直に言い合ってぶつかり合うこと。朝の挨拶を交わすこと。そして誰かと食卓を囲むこと。特に食事シーンの多さはこだわりらしく様々な形で登場するのだが、言葉を交わすよりもむしろ雄弁にすら思えて印象的。寡作らしいけれど、彼女の3作目が早くも楽しみだ。大竹しのぶ、宮崎あおい、桐谷健太といった芸達者たちもみな素晴らしい。(熊谷真由子)
(C)2010「オカンの嫁入り」製作委員会
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